前回の“ぐにょーん”化現象について説明します。
例えばですよ…
ミニラフで仕事行ってフルブームで作業半径10mで1トンの品物を吊るとします。
合図者が品物のセンター(重心)ドンピシャで巻き上げ合図が出ました。
クレーンオペは合図に従い巻き上げた…
すると、品物が浮た瞬間オペから見たら1m奥に動いて合図者が品物と壁に挟まれそうになった。
(例えばの話で実際は1mも流れないと思います)
この場合厳密にいうと、オペは合図者の合図に従わなくてはならないという規則があるのでオペに非はないのですが、品物が流れて合図者が挟まれて怪我したなんて事になったら後味悪いです。
…でもコレ実際よくある事例なんです。
吊り荷と壁に挟まれて合図者が骨折とかって事例があるんですよ…。
吊荷の正面に立っちゃいけないってのもあるんですけどね。
では、何故吊り上げた品物が1m奥に流れたのか?
非常にお粗末な絵で申し訳ないのですが、上記の状態はワイヤーを張った状態で荷重はかかってない状態と仮定します。
ブームと補巻ワイヤーの太さが同じだとか細かい所は突っ込まないでください
この時クレーンの距離計は10mで、荷重計は0tか0.1tって表示になるんです。(補巻選択時)
そしてこれ↑が荷重のかかった場合の図。
更にお粗末さが加わりました…
でも素人なりに頑張りました。
①が先程の荷重のかかってない状態のワイヤーの位置。
んで、
②が荷重のかかった状態のワイヤーの位置。
赤い線がブームの“たわみ”です。
この時、距離計が11m、荷重計1tの表示…。
つまり…
荷重のかかったブームが“たわみ”により、距離が1m増えた状態で吊り上げたため、吊荷が1m分流れた事が原因なんです。
荷重でブームがたわんだ分、作業半径が1m増えたって事です。
前回の釣竿のイメージを思い出してください。
釣竿が重りでぐにょーんって弓なりになって作業半径が1m増えたって事なんです。
仮にコレが吊り上げ能力の作業半径の限界ギリギリの作業で3m増えたら…
クレーン転倒の原因にもなるんです…
これが
“ぐにょーん化現象”
です。
ブームが短ければ短いほど”たわみ”は少ないです。
あ…
ぐにょーん化現象って知ってます?
とか他の人に聞かないでくださいね
誰にも伝わらないと思うので恥ずかしい思いをしますよ…
あくまでこのブログ内だけでの表現として受け止めてください…。
↑ATF-160のフルオートジブで作業した画像なのですが…
コレだけ”ぐにょーん”ってたわんでるんですね…
じゃあその対処法はどーすんのよ?
そこは次回のお楽しみという事で…
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