TADANO SACOJIBのジブ格納手順(25t以上) 詳細編

クレーンネタ

え~

すっかり寒くなってきましたね~

11月だもんね~

そりゃ寒いよね~

 

 

需要があるかどうかは分からないSACOJIBのジブ振出し解説シリーズですけども、今回は格納詳細編と言う事でですね、頑張って記事の方を作成していきますよ。

 

皆様いかがお過ごしでしょうか?

どうも、鼻風邪ズルズルおじさんです。

 

過去のサコジブ関連記事です。

 

 

G3が主流になったあたりから、配車係になってしまってSACOJIBの出し方がちょっとビミョーな自分の備忘録なトコもあるので書き始めたSACOJIB編。

 

遂にラストの格納詳細編を迎えました。

 

格納編とはいうモノの…

ジブを出した作業の逆の手順を行うんですけどもね

 

注意点はソコソコあるんですよ。

格納して、後は帰るだけ!!

 

…なんだけど、作業終了してからのジブ格納作業ですからね…

 

格納手順を間違えて、作動油漏れて帰れなくなったり…

走行不可の状態にしてしまったり…。

 

集中力が切れかかってますからね、十分注意して格納作業を行いましょう。

 

それでは始めます。

SACOJIB格納概要編スタートです!!

 

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SACOJIBについておさらい

 

業界の雄、TADANOさんが開発した空中展開ジブです。

Safety+Compact) 安全(Safety)とコンパクト( Compact)な作業性をコンセプトに、新規開発したジブ張出機構です。

ーカタログより抜粋ー

赤字のSa+Co

SACOJIB(サコジブ)

って知ってました?

前回のGRシリーズ以前のモデルはジブを振出すための”スペース”が必要だった。

↑こんな感じでね

 

その振り出したスペースでジブの上に上り、テンションロッドを取り付けていました。

ぃよっこらしょっ!!

って、テンションロッドを持ち上げて取り付けていたんですね。

 

それに対し、このSACOJIBは…

テンションロッドを取り付け時にジブの上に登らなくてイイという…

 

ジブの振出作業にともなうキャブの昇降回数も9往復から5往復へと昇降回数を削減!!

これによりジブの振出・格納にかかる時間をかなり短縮できるという驚異の発想。

 

※現在CREVO G4では、キャブの昇降が5往復から1往復へと大幅に削減されたSACOJIBⅡが出ております。

SACOJIB振出時の注意点と準備するもの

注意点

ジブの振出操作中は、ジブの下側及び前側に人を立ち入らせない事!!

振出詳細編同様なんですけども…

ジブのサイドアップ振出時に、なんだか知らないけど人が挟まって腕が無くなっちゃったので、現場にあったちょうど良さそうなモノを取り付けたんだけど、あの人大丈夫かな…?

まぁ喜んでるからイイか~?

 

とか

 

ジブを格納時にジブに頭が当たって、頭がどこかに飛んで行った!!

急いで新しい顔を焼かなきゃ!!

 

な~んて事の無い様にしなくてはいけません。

 

ですので…

ジブの格納操作中は、ジブの下面及び前側に人を立ち入らせてはいけません。

コレは遵守願います。

 

稀に慣れた職人さんが手伝ってくれたりするんですけども、その気持ちは非常~にありがたいのですが、ケガをさせてしまう恐れがありますし、ピンの刺し忘れ抜き忘れでクレーンの破損・物損事故にもなりかねません…。

 

破損・物損事故が発生した場合の責任の所在は?過失は?

って事になりますのでね…

 

手伝ったのに結果的に壊してしまったとか…

手伝ってもらったから、ピン抜き忘れられて壊れた事を言い辛い…

 

って事になるので、1人でジブ振出し作業を行うことをオススメします。

 

ハーネス着用でアンカーポイントに掛けよう

 

旋回体上で作業を行う際は、転落防止の為ハーネスを着用し、安全帯用アンカーポイントにかけましょう。

 

『落ちないから大丈夫だよ~』

とは言いつつも2m程の高さですからね、転落して当たり所悪かったら大惨事になり兼ねません。

ケガして後悔する前に、ケガしない対策を打っておきましょう。

 

旋回体の位置の確認

 

上部旋回体が車両後方60°の範囲

↓下図の範囲ね

この領域内でのジブサイドアップ格納を行うと、ジブがマフラーやエンジンフードに干渉します。

それにより被害甚大なので、車両後方60°の範囲内でのジブ格納操作は禁止ね。

 

準備するもの

脚立

ブーム先端のコネクタの取り外しや、テンションロッドの取り外しに使用します。

(振出時にバンパー付近にセットしてありますので、片付け忘れないように…)

ヘルメット、皮手袋、ハーネス

一般保護具です。

慌てて作業すると、ジブに頭を強打する事もあります。

後々考えると、『ヘルメットしといてよかった…』って思うこともありますからね…。

ヘルメットをかぶっていない状態でジブに頭を強打したら、軽く脳ミソ出ちゃいますからね。

 

ワイヤーの断線部分を素手で触ってしまって流血!!

なんて事もありますので、皮手袋は必ず着装しましょう。

 

ハーネスは転落防止!!

落ち着いた心

 

あわてて作業すると手順を飛ばしてしまったり…

ピンの抜き忘れ・刺し忘れが原因となって

破損・落下・地獄絵図

となりかねません。

 

慣れない内は、手順を1つずつ確認して次に進む様に落ち着いた心を持ちましょう。

 




各部の名称

 

ジブサイドアップシリンダとかジブセット格納ピンDとかジブ連結ピンEは従来のモノと同様です。

新規にジブセットピンA・Bやテンションロッド接続リンク、テンションロッド連結ピン等変更点がありマス。

 

SACOJIB格納開始!!

状態確認

ココでは説明用にブームは全縮状態・アウトリガ全張り出し状態で説明します。

・ブーム長さ:全縮状態

・ブーム角度:60°~80°

・ジブオフセット角度:最大(60°)

にしてください。

 

AMLにジブセット設定

AMLにジブセット状態を登録します。

AMLにジブセット状態を登録すると、フックが巻過状態になっても自動停止しません

主巻フックを巻き上げる

主巻フックをブーム先端の隙間が約50㎝になるまで、主巻フックを巻き上げます。
主巻フックがジブの中をくぐり抜けやすくするために行います。

ジブチルトシリンダ全縮小

ブームが全縮小していることを確認してください。
伸縮/ジブチルトレバーを押してジブチルトシリンダを全縮小し、ジブが吊り下がった状態にします。
AMLにジブチルトシリンダ全縮アイコンが表示されます。
ジブの振り下げは、ブーム角度80°未満で行う事!!80°以上でジブの振り下げを行うと、テンションロッドがジブに干渉し、損傷する恐れがあります。
ジブチルトシリンダが全縮小していないと、ジブを格納するときにテンションロッドを損傷します。AMLにジブチルトシリンダ全縮アイコンが表示されていることを必ず確認してください!!
ジブチルトシリンダの全縮小は、ジブ右側面のマーキングより右側テンションロッドのマーキングが上方にある事でも目視確認できます。
ジブチルトシリンダの縮小操作中にジブが垂直に吊り下がるんですが、垂直に吊り下がったらOKってワケじゃないんですね…。
トップシーブ付近でテンションロッドが動いてますんで、ソコも注意してください。

ジブ先端のコネクタを外す

ブーム角度を60°~65°にします。
・ジブ先端の巻過防止装置用コネクタを外します。
・外したコネクタは防水キャップをしてコネクタ格納位置に格納します。
・残ったコネクタは、お互いを接続しておきます。
・ワイヤ外れ止めピンを外し、巻過防止装置用ウエイトからウエイト用ワイヤを切り離します。
・巻過防止装置用スイッチをウエイト用ワイヤを取り外します。
配線を抜くときはコネクタ自体を掴み、コードを引っ張って抜かないでください。断線の原因になります。

ジブ先端のシーブから補巻きワイヤーを外す

 

ジブ先端のシーブから補巻きワイヤーを外し、補巻きフックがジブ先端シーブより少し高い位置になるまで補巻フックを巻き上げます。

付属の補助ロープをシーブとガイドピンの間に通します。

補助ロープのもう一方を補巻きフックに掛けます。

 

補助ロープはジブ先端に確実に通し、外れないようにしてください。ジブから補助ロープが外れると、ジブを格納するときに前方に大きく振られます。
運転席に戻り、ブーム角度を75°~80°になるまで起伏操作します。

ジブサイドアップシリンダ伸長

ジブサイドアップ振出/格納スイッチの振出を押して、サイドアップシリンダを全伸長します。
ジブロック装置(自動ピン)が確実に働くようにするために行います。

ジブ引き込み

 

・ブーム角度が75°~80°である事

・ジブサイドアップシリンダが全伸長されている事

を再確認してください。

補巻きフックを巻き上げ操作を行い、ジブをブーム下面に引き込みます。

『カチン!!』

って音がして、AMLにジブロックアイコンが表示されたら、補巻きフックの巻き上げ操作を止めます。

 

起伏操作をしてブーム角度を60°~65°にします。

 

安全ロープの取り付け

 

運転席から降りて、上記の安全ロープを取り付けます。

安全ロープを取り付けないで作業を行うと、誤操作や故障でジブロック装置(自動ピン)が外れた時に、ジブがブームから外れ、事故の恐れがあります。

ジブが自動ピンに引っ掛かっている部分ってほんの数㎝なので、引っ掛かりが悪ければジブが外れます。

安全ロープを取り付けに行く際も注意してください!!

 

補助ロープの取り外し

 

運転席に戻り、補巻きフックを巻き下げ操作します。

補巻きフックと、ブーム根元に掛かっている補助ロープを取り外し、片付けます。

 

運転席に戻り、補巻きフックを巻き上げ操作しながらブーム角度を約5°にします。

 

ブーム角度を約5°にすると、キャリア上でブームの下をくぐりやすくなります。

 

ジブ連結ピンEを挿入

 

ジブ連結ピンEを入れ、スナップピンで固定します。

 

運転席に戻り…

 

ブーム角度をいっぱいまで下げます。

前輪が地面に軽く設置するようにジャッキを縮小します。

AMLにアウトリガ状態を再登録します。

 

前輪が地面に軽く設置するくらいにクレーンを設置すると、ブーム先端が低くなるため、後の工程のテンションロッドや、コネクタの取り外し作業が楽になります。

ジブチルトシリンダの全縮小

伸縮/ジブチルトレバーを押して、ジブチルトシリンダを全縮小します。

テンションロッド固定ピンを差し込みやすくするために行います。

巻過防止装置用スイッチの取り付け

①シングルトップに巻過防止装置用スイッチを取り付けます。

巻過防止装置用コネクタ(2カ所)をジブ側から外し、ブーム側に接続します。

②ウエイト用ワイヤをウエイトを接続。

③ワイヤ外れ止めピンを取り付け、スナップピンで固定します。

配線を抜くときはコネクタ自体を掴み、コードを引っ張って抜かないでください。断線の原因となります。

ジブチルトシリンダ用ホースをガイドから外す

ジブチルトシリンダ用ホースをホースガイドから外し、ホースリールに巻き取ります。
ホースガイドを格納するときのカコン!って音が個人的に好きです。
ジブチルトシリンダ用ホースが確実にホースガイドから外れている事を確認してください。ジブチルトシリンダ用ホースを外さずにブームを伸長すると、ホース及びホースガイドを損傷し、重大な事故を起こします。

ブーム左側のジブセットピンBを外す

ブーム左側のジブセットピンBを抜きます。
テンションロッド接続リンクにジブセットピンBを刺し込み、取っ手として使用します。

テンションロッド固定ピンの取り外し

格納サポートからテンションロッド固定ピンを取り出します。

テンションロッドを取っ手として差し込んだジブセットピンBを持ち上げて格納位置で固定ピンを刺し込み、スナップピンで固定します。

取っ手として差し込んだジブセットピンB以外を持つと指を挟みケガの恐れがあります。

 

テンションロッド連結ピンを抜く

テンションロッドとテンションロッド接続リンクを繋いでいる”テンションロッド連結ピン”を抜きます。
テンションロッドって文字が多くてパニックにならない様に注意してください。
先ほどの工程で抜いたテンションロッド連結ピンは上記のトコに格納してください。
そして、テンションロッド接続リンクから取っ手として使っていたジブセットピンBを抜いてサポート箇所に差し込みます。

ジブオフセット角度検出用コネクタを外す

ジブ右側に回って…
コネクタを外して防水キャップをします。
配線を抜くときはコネクタ自体を掴んで外す事。コードを引っ張ってしまうと断線の原因となります。

テンションロッドの格納

ジブ左側で行った手順と同様の作業を行います。

①ジブセットピンAを外し、テンションロッド転結リンクに差し込み取っ手として使用する。

②ジブセットピンAを持ち上げ、テンションロッド固定ピンを差し込む。

③テンションロッド連結ピンを外し、上記箇所に格納する。

④ジブセットピンAを外してバンパ―の上に置く。

↑最後にジブの固定ピンとして使用します。

 

左右のテンションロッド振れ止めサポートを取り付ける

左右のテンションロッド振れ止めサポートを取り付け、テンションロッドを固定します。

 

一旦確認

 

次の工程で運転席に戻りブームを伸ばすので、今までの手順を確認してください。

・ジブ連結ピンEは外れているか?

・ジブセットピンA・Bは外れているか?

・左右のテンションロッド連結ピンは刺さっているか?

・ジブチルトシリンダ用ホースはガイドから外れ、巻き取られているか?

・ジブオフセット角度検出用コネクタは外れているか?

 

残りの工程はあとわずかなのでココで一旦確認しましょう。

 

ジブサイドアップ格納

クレーンを水平にしてブーム伸長操作

 

運転席に戻り、アウトリガのジャッキを操作してクレーンを水平にします。

その後、ブームをゆっくりと約0.5m程伸長します。

コレでジブとブームが離れました。

 

ジブサイドアップ

 

ジブサイドアップ振出/格納スイッチの『格納』を押して、ジブをブーム側面に引き寄せます。

ジブをブーム側面に引き寄せ終わると、AMLのジブロックアイコンが消えます。

ジブセット格納ピン挿入

ブーム角度を約5°にする

ブーム角度を約5°にすると、キャリヤ上でブームの下をくぐりやすくなります。

 

ジブセット格納ピンの挿入

 

運転席を降りて、ブームの下をくぐって…

 

上図の様にピンCを差し替えてジブセット格納ピンを挿入します。

 

ジブセットピンAを挿入

最後の一手です!!

ジブセットピンAをブーム根元側へ向けて入れ、ジブをブームに固定します。

ジブセットピンAを入れた後、スナップピンで固定します。

ピン挿入時、クレーンから転落しない様に注意してください!!
ジブセットピンAを挿入するまでブーム伸縮操作はしないでください!!
運転席に戻り、ブームを最縮小して…
ジ ブ 格 納 完 了 !!

最後に…

 

 

ココで、当ブログのご意見番のとも蔵さんよりアドバイスをいただきましたm(__)m

 

G3ですが、年式によって色々と微妙に違うので、普段乗っているからとって担当以外のクレーンに乗った時に油断してはいけません。

特に、ルースターのピンを抜差ししないといけないタイプには要注意です

ルースターのピン(ワイヤーの外れ防止ピン) は大抵、過巻リミットと一体化していますが、別になっているタイプがあります。

↑の③のワイヤ外れ止めピンね。

 

しかも、そのピンを抜かないと過巻リミットが外れないようにしていない機種は、抜き忘れしやすく、抜き忘れると補巻ワイヤーが切れる等の重大事故になるので、要注意です。

次にG4ですが、25tだけがジブのチルト油圧ホースガイドをたたむ必要があるので要注意です

たたみ忘れるとジブとガイドが干渉します。

 

普段、G4 70tやG3に乗っているからと言って油断は禁物です

また、最初期のG4はブームを最縮小した状態でジブを格納しようとすると、ジブのガイドローラーブラケットとジブが干渉し、ジブの通信ケーブルを切断してしまう場合があります。

一応、68°で起伏が自動停止しますが、急停止したりしてジブが振れると干渉してケーブルが切れてしまいます。

後にケーブルの取り回しを変更して対策されていますが、これも要注意です。

 

共通して言える注意点としては、基本適に手前のテンションロッド(運転席の反対側)はテンションロッドを手で伸ばしてピン穴を合わせますが、引き過ぎるとロッドが落下するので要注意です

そんなこんなで、普段乗っているからと言って担当以外の機種に乗る時に油断は禁物って、こってすね。

 

とも蔵さんアドバイスありがとうございましたm(__)m

 

いかがでしたでしょうか?

無事にSACOJIBを格納できましたでしょうか?

 

いや~

今回も長かった~(笑)

 

あまりにも長いので、記事の見直ししてないんですよね…

もし、誤字・脱字等ございましたらお知らせくださいm(__)m

体たらくですみません(笑)

 

一応、取説と同じ手順を記載しております。

 

車内に取説が無くて困ってるオペさんや、ジブ格納について困っている方の一助となればコレ幸いです。

 

 

あ!!

もし、手順通りに作業して故障した~とか壊れた~とかあっても当方一切の責任は負いませんので悪しからず…

それでは本日もご安全に~

コメント

  1. 今ではG4乗り より:

    練習の時縮めないまま孫を格納してホースリールの盤やったのは僕です

    • Slide Away Slide Away より:

      んなぁぁぁあにぃぃぃいい!?

      やっちまったなぁ!!

      コチラは初っぱなのジブセットピンAを抜かずにジブを振り出して、ホースリールの盤をやりかけたのは内緒のハナシです(笑)

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