TADANO GR乗車で現場にて急遽…
『ジブ格納して!!』
と言われて、
『え~!!あと1日あるって言ってたじゃん』
『このクレーンのジブ格納の仕方わかんないよ~』
という方に向けて、TADANO G3以前のシリーズのジブ格納の詳細手順の説明をしたいと思います。
ホントに薄っす~い需要を満たしますよ。
ウチはね。
ハイ。
ざっくり説明の概要編はコチラです↓
TADANO G3以前のシリーズのジブ出し手順についてはコチラ↓
それでは参りましょう
ジブ格納詳細編…
スターティン!!
ジブ格納手順の詳細説明
取説のジブ格納手順の順序をワタクシのアレンジで多少変えてあるので、何かあっても自己責任でお願いします。
物損・故障・ケガ等ございましても当方責任は一切負いませんのであしからず…。
基本的にはジブを出した手順の”逆”を行います。
1人逆再生です。
ハイ。
注意事項
作業スペースの確認
ジブ出し編でも記載しましたが、TADANO G3より以前のシリーズのジブの格納時の場合にも、空中展開ジブではないので、”ジブを振り出せるスペース”が必要になります。
ですので…
ジブ出し編と同様に、障害物の有無の確認・撤去・除去をしてください。
ジブ格納中の注意点
ジブの格納中も、ジブの前側・下側には立ち入らない&立ち入らせない様にしてください。
誤ってジブ落下!!
そして挟まれ!!
な~んて事もあり得なくはないので…。
親切な職人さんが手伝ってくれたりしますが、慣れない内は極力1人でジブ格納作業を行ってください。
手伝ってくれるのはありがたいんですけども、ピンを抜き忘れたとか入れ忘れたとかありますのでね。
それが元で壊れただ~壊しただ~って事になると、善意で手伝ってくれた方に申し訳ないっすからね…。
っていう苦~い経験がワタクシにはありますからね。
トラブルは未然に防止しますよ。
『あ!!どこまでやったか分からなくなるので、1人でやらせてください』
と…
丁重にお断りしましょう。
ジブ格納時のレバー操作について
用意するモノ
前回も触れましたが、用意するモノ一覧です。
1.ヘルメット
2.ハーネス
3.脚立(車載されてますよね?)
4.保護手袋
5.補助ワイヤー
6.落ち着いた心
それでは格納開始!!
AMLにジブセット状態を登録する
過巻き防止装置用スイッチを取り外す
順序としては…
1.各コネクターを外し格納します。
2.各コネクター部分には防水キャップでフタをします。
3.過巻き防止措置用スイッチの配線を外します。
4.過巻ウエイトに繋がっているワイヤーを外します。
5.雑巾を絞る要領で過巻防止装置用スイッチを取り外します。
外した過巻き防止装置用スイッチはクレーンのバンパーの上にでも置いておきましょう。
補巻きフックを巻き上げジブ先端に当てる
先ほどの手順の”過巻防止装置用スイッチ関連とワイヤーが外れていること”を確認したら
補巻きフックを巻き上げ操作して、ジブ先端に補巻きフックを当てます。
過巻き状態ですね。
その状態でジブを気持~ち巻き上げます。
次の工程でテンションロッドを取り外すので、テンションロッドが外せるくらい過巻して、ジブを持ち上げます。
正規の手順としては、ジブ先端に補巻きフックを軽く当ててブームを伸ばすのですが、手数を減らすためにワタクシは補巻きの巻き上げ操作をしてこの手順を省いてました。
運転席から見て、ジブの配線格納ボックスのフタが水平になる位を目安として巻上げ操作をしてました。
巻上げ操作だけでは足りない場合、ブームを伸ばしてください。
それと…
過巻・シーブ損傷のコンボが待ってます。
テンションロッドの取外し
で、ジブの中間辺りにある左右のテンションロッド格納サポートのロック解除(パカーンって開けて)をして、左右のテンションロッドを収められる状態にします。
ジブ根本に移動して脚立でジブに上ります。
テンションロッド取付リンクに刺さっているピンを外し、テンションロッドを外して左右のテンションロッドを格納します。
テンションロッド取付リンクに刺さってたピンは下図のトコに差し込みます。
左右ね。
ジブセットピンの差し替え
過巻きしてジブを押さえている状態です。
スナップピンを外してジブセットピンを運転席側に差し替えます。
コネクタを外し収納箱へ格納
ジブセットピンを外したついでにコネクタを外して、収納箱に格納します。
ジブロック操作準備
運転席に戻って…
先にジブロックのリンクを振出側に押します。
古い機種なので知らず知らずリンクが縮んでたりする事があるのでね
念のため押しときます。
ジブを主巻フックをくぐらせるための準備です。
ジブ引き込み準備
ブームを起こし補巻きフックをゆっくり巻き下げます。
この時、補巻きフックを地面からだいたい50㎝~1m程の高さで水平移動操作をします。
ブームを起こしながら、補巻きフックを巻き下げ操作…。
そろりそろりと巻き下げ操作をしてください。
結構、”ガッ!!”っと巻き下がります。
その際、地面をガリガリっと擦っちゃうとジブを損傷する恐れがあります。
ブームが伸びていたら起伏操作のしつつブームの縮小操作をします。
時折、主巻フックがジブをくぐれるのかを目視確認してください。
この工程の操作が結構気を使いますね…(-_-;)。
補助ロープ取り付け
徐々に起伏&補巻きフックの巻き下げ操作を行い、クレーン上で補巻フックのワイヤーをジブから外し、
ジブを出した際に手順NO.15で置いておいた補助ロープをジブに通してから補巻フックに掛けます。
自分の乗ってるクレーンから転落なんて笑いモノになってしまいますからね…。
補巻きフックの巻き上げ操作 ①
ブーム角度を60°~65°にして補巻きフックを下図程巻き上げ操作します。
補助ワイヤーが適度にたるんでいる位で大丈夫です。
その後に、ブームの起伏角度を75°~80°まで起伏操作します。
補巻きフックの巻き上げ操作 ②
ブームの起伏角度を75°~80°まで起伏操作した後、
補巻きフックを巻き上げてジブをブームにくっつけます。
ジブが元ブームに引き込まれたら運転席のメーターパネル下の警告灯の”JIB LOCK”が点灯します。
”JIB LOCK”が点灯したら補巻きフックの巻き上げ操作は止めてください。
上図は”カチン”ってなってますが、
実際は…
『ガ… ッコン!!』
パラパラ…
ってソコソコのいい音がします。
補巻きフックがクルクル回って塗装やらサビやらがパラパラ落ちてくる事もあります。
補巻きフックは
『ガ… ッコン!!』
って言うまで巻き上げてOKです。
安全ロープの取り付け
少~し補巻きフックを巻き下げます。
『ガ… ッコン!!』
とは音がしたものの、しっかりジブがブームに引き込まれているか確認するためです。
ジブと元ブームの引っ掛かりって、ほんの数センチしか引っ掛かってませんからね…
ココでまだジブがブラ~ンと下がってくるようであれば、もう一度補巻きフックを巻き上げてジブを元ブームに引き込んで下さい。
大丈夫そうであれば、ブームの起伏角度を60°~65°まで起伏操作します。
その後、運転席から降りて安全ロープをジブに引っ掛けます。
この時はまだ、補巻きフックは少し巻き下げたままの状態でストップしてください。
補巻きフックを巻き下げてしまうと、安全ロープを掛けに行く最中になんらかの理由でジブが振り出され、その振り出されたジブにオペが激突するっていう可能性が少なからずありますので…。
安全ロープをジブに掛けたら、補巻きフックを巻き下げ操作して補助ワイヤーを外します。
ブームの根元に掛かっている補助ワイヤ―を取り外し・巻き取り後、元の場所に戻します。
安全ロープをジブに掛けたり、補助ワイヤーを補巻きフックから外したりとブームの根元を2往復しますので、足元に注意して行ってください。
ジブ連結ピンEを差し込む
運転席に戻り、ブームの起伏角度を0°にします。
その後、運転席から降りてジブ連結ピンEを差し込みスナップピンを差し込みます。
これにより、ジブが元ブームにガッツリ繋がります。
ジブチルトシリンダ用ホースを取り外す
運転席から降りて、バンパーの上に置いた過巻き防止装置用スイッチを持って脚立と一緒にブーム先端へ…。
ジブチルトシリンダ用ホースをホースガイドから取り外し、ホースリールに巻き取ります。
ストッパーを外して、ホースをガイドから取り外したらストッパーを
カコンカコン!
って戻します。
↑ホース格納状態ね。
左右のジブセットピンを抜く・過巻き防止装置取り付け
ホースリールを格納したついでにジブセットピンを抜きます。
↑ホースリール側のジブセットピンを抜く
→過巻防止スイッチ取り付け
→過巻防止装置コネクタ取り付け
→コネクタ側のジブセットピンを抜く
が一切の無駄が無い動きですね。
↑過巻き防止装置取り付け
①過巻防止装置用スイッチを取り付け
②巻過防止装置用ウエイトにワイヤーを取り付けます。
③コネクタの取り付け
その後…
↑コネクタ側のジブセットピンを抜く。
で、抜いたジブセットピン2本をバンパーの上に置いて運転席へ…。
ブームを伸長
ゆっくりと1m程ブームを伸長操作します。
その後、ジブサイドアップスイッチの格納を押してジブをブーム側面に引き寄せます。
ジブがブーム側面に引き寄せられたらメーターパネル下の”JIB LOCK”のランプが消灯します。
ジブセットピンの差し込み
遂に最後の工程となります。
ここまでくればもう安心。
だけども、高所からの転落に注意してくださいね!!
メーターパネル下の”JIB LOCK”のランプの消灯を確認したら、運転席から降ります。
バンパー上に置いたジブセットピンを持って…
上記箇所に差し込みます。
ジブを固定する用のピンですが、ピンが入りにくい時があります。
そんな時は、ジブをゆすってください。
ジブをゆすりながらジブセットピン(固定)を差し込みます。
で…
〇の部分
↑の箇所のジブセット格納ピンDを差し替えます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
長文お付き合いありがとうございます。
薄っすい需要に応える事ができたのではないかな~?
と自負しております(笑)
コメント
タイムリーにTR500で出撃中の私ですが、今日は初めて1人で現場ヒマゴ出しに行った取説が読めない新人が大変お世話になっています。ありがとうございます。
さて、いつも思うのですが、G3タイプにマゴを変更するキットとか出せないのかなぁ?
シリンダーの位置とピンの太さ意外特に違いが分からないのに。そうすればクッソ狭い現場で足場やら高車やら山の斜面を使ったサーカス空中展開しなくてもいいのにな〜と思ってしまうのはワタシダケ?
ホンマロクナゲンバナイワ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)思い出し涙
あと格納時の豆知識で、テンションロッドの太ピンですが、走行状態でピンの取手部分が上になる様にしておかないと、悪路や振動の多い場所をよく通る時、飛んでいく場合がありますのでご注意を。
コンマ1tさん
お疲れ様ですm(__)m
≻さて、いつも思うのですが、G3タイプにマゴを変更するキットとか出せないのかなぁ?
買い替えなさいって事じゃないっすかね(笑)?
サコジブになった時、なにコレ⁉すんげぇ楽じゃん!!
って思っちゃいました…。
豆知識ありがとうございますm(__)m