TADANO SACOJIBのジブ出し手順(25t以上) 概要編

クレーンネタ

先日…

 

『現場でジブ出してって言われちゃて…』

って自社オペさんからHELP連絡…。

 

自社オペさんなんだけど、ちょっと困った方でジブを覚えてくれないというか覚えられないんおじさんなんですよね…

 

作業から早く終わって帰ってくる事も多いのに、その早く終わって戻ってきた時間を練習に当てたりとかしないの。

 

乗るだけおじさん。

 

ヘタにミスって壊れても困るので、事務所から30分程度の現場だったので現場へ向かう事にしました。

 

実はワタクシ…

SACOJIBの出し方は覚えたけど、現場で使った事が無いんですよね…。

SACOJIBが主流になる頃に配車係になっちゃって…。

 

今まではね

担当車のジブ出しだけ覚えとけばイイや

って思ってたんですけども、配車係になってから…

 

やれジブが出ないとか、やれ不具合出たとかの連絡が来るモンで、会社にある機械のジブ出しは全て把握しとかなきゃトラブルに対処できないよな~?

と思って、暇を見つけて覚えたんですよ。

 

実際にジブを振出~格納までの工程を把握しておかないとさ、不具合連絡がきた時にジブ出し手順を知らない機種の取説を読みながら不具合連絡を聞いてもピンとこないし、状況の把握ができないからね。

 

とはいえ、緊張した環境で出したワケじゃないから、いざやってって言われると手順の記憶が曖昧…。

 

自分としてもちょっと不安。

 

G3以前のモデルのジブ出しは、散々やったので体が覚えてるんですけどね…

 

 

なので、自身の備忘録的な意味合いも兼ねて記事にしてみました。

 

それでは…

SACOJIB振出概要編スタートです。

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SACO Jib(サコジブ)とは?

業界の雄、TADANOさんが開発した空中展開ジブです。

Safety+Compact) 安全(Safety)とコンパクト( Compact)な作業性をコンセプトに、新規開発したジブ張出機構です。

ーカタログより抜粋ー

赤字のSA+CO

SACOJIB(サコジブ)

って知ってました?

 

迫さんが開発したワケじゃないんですね。

 

前回のGRシリーズ以前のモデルはジブを振出すためのスペースが必要だった。

↑こんな感じでね

 

その振り出したスペースでジブの上に上り、テンションロッドを取り付けていました。

よっこらしょっ!!

って、テンションロッドを持ち上げて取り付けていたんですね。

 

それに対し、このSACOJIBは…

テンションロッドを取り付け時にジブの上に登らなくてイイという…

 

ジブの振出作業にともなうキャブの昇降回数も9往復から5往復へと昇降回数を削減!!

これによりジブの振出・格納にかかる時間をかなり短縮できるという驚異の発想。

 

※現在CREVO G4では、キャブの昇降が5往復から1往復へ大幅に削減されたSACOJIBⅡが出ております。



ジブを格納状態からブーム下面へ移動する

ココは前モデルと同様の操作です。

・脚立を用意する
・ブーム角度を0°にして1m程伸ばす
・各部のピンを抜き、ジブを抱きかかえるようにします
・ブームを最縮小する

ブーム先端のリンクとテンションロッドを接続し、ジブセットピンを差し込む

ココの工程で、テンションロッドを取り付けてしまうんですね~。

・テンションロッド接続リンクにジブセットピンを差し込む(接続リンクの取っ手にします)
・テンションロッド連結ピンを抜き、リンクとテンションロッドを接続する
・テンションロッド固定ピンを外す
・ジブセットピンを下から差し込む(ジブとブームを繋げるピンです)
・各コネクタの接続
・ワイヤー外れ止めピンを外す
・過巻防止装置用スイッチを取り外す
・油圧ホースを掛ける
・ジブ連結ピンを外し格納場所に格納する
テンションロッドの固定ピンが硬くて抜けない場合、ジブチルトシリンダが経年劣化により伸長している為、競ってしまってピンが抜けない場合もあります。その場合は、ジブチルトシリンダをあらかじめ縮小してください!!

ジブチルトシリンダの伸縮方法

アウトリガー操作パネル付近にあるコレ↓

ジブチルトに切り替えて…

伸縮レバーを前に倒すとジブチルトシリンダは縮みます。

 

25t等のサイズによって切り替えスイッチの形状が異なります。

補助ロープを取り付け、ジブをブームから振り出す準備をする

 

ココは前モデルと一緒。

・ブーム角度を60°~65°にする。

・補助ロープをジブに通す

・補諸ロープを補巻きフックに掛ける

・補巻きフックを巻き上げる(張り過ぎないように注意)

・安全ロープをジブ先端から外しサポートに掛ける

ジブをブームから振り出す

 

ココも一緒

・ブーム角度を75°~80°にする

・ブームをゆっくりと伸ばし、ジブがブームから外れる

・補巻きフックをゆっくり巻き下げながらブーム角度を60°にする

・補巻きフックから補助ロープを外す

・補巻きワイヤーをジブに通す

・巻過防止装置用スイッチを取り付け、ウエイト用ワイヤーを取り付ける

・トップジブ固定ピンを差し替える(ジブの伸縮がフルオートの場合)




ジブチルトシリンダを伸長し、ジブを作業状態まで振り上げる

ココからがサコジブの真骨頂!!

ジブに取り付けられたシリンダによって、空中にてジブが振り出されていきます。

 

アウトリガー操作パネル付近にあるコレ↓

25t等のサイズによって切り替えスイッチの形状が異なります。

 

操作切替スイッチをジブチルトに合わせて伸縮レバーを引くと…

↑の操作となります。

 

そして…

ジブチルトシリンダが伸長してジブが振り上がります。

 

・AMLの設定をジブに再設定

 

で…

 

 

振・出・完・了

 

最後に

 

これにより狭所でのジブの振出しが可能となった画期的なシステム…。

 

今じゃ当たり前になってるこの空中展開ジブのシステムですけどもね

コレが出た当初は感動しました…。

 

なにコレすごい!!

ずるい!!

ってね。

 

慣れればだいたい15分前後ってトコで振り出せます。

 

運転席を登ったり下りたりとタイムアタックしてた頃が懐かしい( ノД`)シクシク…

 

 

自分以外のどこかの誰かのお役に立てればコレ幸いです。

 

それでは本日もご安全に~

 

詳細編はコチラね↓

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