え~
需要があるかどうかは分からないSACOJIBのジブ振出し解説シリーズですけども、今回は振出詳細編と言う事でですね、頑張って記事の方を作成していきますよ。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
どうも、中間管理職おじさんです。
概要編があるからには詳細編も作らないといけないよね。
旧タイプのジブ出し方法についてはコチラ↓
G3が主流になったあたりから、配車係になってしまってSACOJIBの出し方がちょっとビミョーな自分の備忘録なトコもありますからね。
自分…
書いて覚えるタイプの人間ですから
それでは始めます。
SACOJIB振出概要編スタートです!!
SACOJIBについておさらい
業界の雄、TADANOさんが開発した空中展開ジブです。
(Safety+Compact) 安全(Safety)とコンパクト( Compact)な作業性をコンセプトに、新規開発したジブ張出機構です。
ーカタログより抜粋ー
赤字のSa+Coで
SACOJIB(サコジブ)
って知ってました?
前回のGRシリーズ以前のモデルはジブを振出すための”スペース”が必要だった。
↑こんな感じでね
その振り出したスペースでジブの上に上り、テンションロッドを取り付けていました。
ぃよっこらしょっ!!
って、テンションロッドを持ち上げて取り付けていたんですね。
それに対し、このSACOJIBは…
テンションロッドを取り付け時にジブの上に登らなくてイイという…
ジブの振出作業にともなうキャブの昇降回数も9往復から5往復へと昇降回数を削減!!
これによりジブの振出・格納にかかる時間をかなり短縮できるという驚異の発想。
※現在CREVO G4では、キャブの昇降が5往復から1往復へと大幅に削減されたSACOJIBⅡが出ております。
SACOJIB振出時の注意点と準備するもの
注意点
ジブの振出操作中は、ジブの下側及び前側に人を立ち入らせない事!!
ジブのサイドアップ振出時に、なんだか知らないけど人が挟まって腕の関節が2.3か所増えちゃったんだけどどうしよう…
とか
ジブを振出時に人が接触して遥か彼方まで吹っ飛ばされた!!
な~んて事故の無い様にしなくてはいけません。
ですので…
ジブの振出操作中は、ジブの下面及び前側に人を立ち入らせてはいけません。
遵守願います。
稀に慣れた職人さんが手伝ってくれたりするんですけども、その気持ちは非常~にありがたいのですが、ケガをさせてしまう恐れがありますし、ピンの刺し忘れ抜き忘れでクレーンの破損・物損事故にもなりかねません…。
破損・物損事故が発生した場合の責任の所在は?過失は?
って事になりますのでね…
手伝ったのに結果的に壊してしまったとか…
手伝ってもらったから、ピン抜き忘れられて壊れた事を言い辛い…
って事になるので、1人でジブ振出し作業を行うことをオススメします。
ハーネス着用でアンカーポイントに掛けよう
旋回体上で作業を行う際は、転落防止の為ハーネスを着用し、安全帯用アンカーポイントにかけましょう。
『落ちないから大丈夫だよ~』
とは言いつつも2m程の高さですからね、転落して当たり所悪かったら大惨事になり兼ねません。
ケガして後悔する前に、ケガしない対策を打っておきましょう。
旋回体の位置の確認
上部旋回体が車両後方60°の範囲
↓下図の範囲ね
この領域内でのジブサイドアップ振出を行うと、ジブがマフラーやエンジンフードに干渉します。
それにより被害甚大なので、車両後方60°の範囲内でのジブ出し操作は禁止で。
準備するもの
脚立
ブーム先端のコネクタの取り付けや、テンションロッドの取り付けに使用します。
ヘルメット、皮手袋、ハーネス
一般保護具です。
慌てて作業すると、ジブに頭を強打する事もあります。
後々考えると、『ヘルメットしといてよかった…』って思うこともありますからね…。
ヘルメットをかぶっていない状態でジブに頭をぶつけたら、軽く脳ミソ出ちゃいますからね。
ワイヤーの断線部分を素手で触ってしまって流血!!
なんて事もありますので、皮手袋は必ず着装しましょう。
ハーネスは転落防止!!
落ち着いた心
あわてて作業すると手順を飛ばしてしまったり…
ピンの抜き忘れ・刺し忘れが原因となって
破損・落下・地獄絵図
となりかねません。
慣れない内は、手順を1つずつ確認して次に進む様に落ち着いた心を持ちましょう。
アウトリガー張り出し状態を確認
アウトリガーは原則全張り出し状態で。
現場によって、アウトリガーを全張りできない箇所もあります。
アウトリガー全張り以外でジブを出す場合は、性能表をしっかりと確認して作業しましょう。
各部の名称
ジブサイドアップシリンダとかジブセット格納ピンDとかジブ連結ピンEは従来のモノと同様です。
新規にジブセットピンA・Bやテンションロッド接続リンク、テンションロッド連結ピン等変更点がありマス。
脚立の取り外し・安全ロープの確認
脚立の取り外し
さ~てジブ出ししますかぁ~
って始める前に、まず真っ先にやる事…。
それは…
脚立の取り外し
各重機屋さんによって、脚立の取り付け位置は異なるとは思います。
下記の位置に脚立が設置してあるクレーンに関しては以下を参考にしてください。
脚立が運転席左側ブームの横のこの部分に設置してある機種は、まず先に脚立を取り外して準備しましょう。
こ~んな状態になります。
ワタクシはコレで脚立を潰しました(;’∀’)
脚立も地味に金額張りますからね…
なので…
ジブ振出準備となったら、真っ先に脚立を取り外し、安全ロープが確実に付いているかを確認をしましょう。
安全ロープの取り付け確認
脚立を取り外しに行ったついでに、ジブ先端に取る付けられている安全ロープが外れていないかを確認します。
ジブ先端の安全ロープがしっかりと取り付けられている事を確認します。
もし外れていたら、上図の様に取り付けます。
ブーム伸長・AMLジブセット登録
では、運転席に戻って…
アウトリガーの張り出し状態を確認して…
ブームの角度を約5°にして、ブームを約0.5m~1m程慎重に伸長操作を行います。
次に、AMLにジブセット状態を登録
ブーム状態選択キーを数回押して、ジブ状態シンボルが点滅するトコを選んでエンターキーを押して状態登録をします。
ジブサイドアップ振出~ジブセット格納ピンDを解除位置に
ジブサイドアップ振出の前にひと手間…
ジブサイドアップ振出/格納スイッチの“格納側”を押して、サイドアップシリンダを全縮小します。
後の工程でジブセット格納ピンDを抜くのですが、サイドアップシリンダが伸びてしまっていると、このピンが競ってしまって抜けないんですよね…。
G3シリーズも発売から長い年月が経過しましたからね~
経年劣化や、走行等の振動でシリンダも伸びやすくなっているっていう傾向もありますんでね~
事前に走行等の振動で微妙に伸びしまったシリンダを縮めて、ジブセット格納ピンDを抜きやすくしましょ
っていう工程です。
ジブセット格納ピンDを抜く
では、運転席を降りて…
ジブセット格納ピンの場所なのですが…
↓こちら
ピンCとジブセット格納ピンDってトコね。
ココは従来のジブ出しと同じです。
①ピンCを固定しているスナップピンを抜く
②ピンCを抜く
③ジブセット格納ピンを引き抜く
④ピンCを差し込む
⑤ピンCにスナップピンを差し込む
以上の順でジブセット格納ピンDを抜きます。
ジブセットピンAを抜く
次に、ジブ先端の方へ行って…
ジブ先端をブームに固定しているジブセットピンAでございます。
このジブセットピンAに刺さっているスナップピンを抜き、ジブセットピンAを抜きます。
前モデルのGRではこのピンは使わなかったのですが、SACOJIBではこのジブセットピンAは後程重要な役割を果たしますので、スナップピンを刺してフロントバンパーの上にでも置いてください。
ジブサイドアップ振出し
運転席に乗り込み、前の工程でブームを0.5m~1m程慎重に伸長操作して伸ばしたブームを再度0.5m~1m程伸びているかをAML画面にて確認してください。
ブーム角度いっぱいまで下げます。
次に、ジブサイドアップ振出/格納スイッチの『振出』
を押して、ジブをブーム下面に移動します。
ジブがブームの下面に移動すると、AMLにジブロックアイコンが表示されます。
ブーム全縮小
ブーム縮小操作
ジブがブームの下面に来たことを確認した後…
伸縮操作を行ない、ブームをゆっくりと全縮小操作をします。
コレでジブとブームが仮止め?ドッキング?しました。
アウトリガージャッキ縮小操作
前輪が地面に軽く設置するようにジャッキを縮小操作します。
AMLにアウトリガ状態を再登録します。
ジブチルトシリンダの全縮小確認
伸縮操作をジブチルト側に切り替え、伸縮レバーを押してジブチルトシリンダを全縮小します。
テンションロッド振れ止めサポートを解除
運転席を降りて、ジブの左右に付いている『テンションロッド振れ止めサポート』を解除します。
右側テンションロッドの取り付け
ブーム右側のテンションロッド接続リンクに、先程の工程でフロントバンパーに置いたジブセットピンAを差し込みます。
テンションロッド接続時、ジブセットピンAを差し込みコイツを取っ手として使用します。
右側テンションロッド接続
テンションロッド接続リンクとテンションロッドを接続
テンションロッド連結ピンを抜き、テンションロッド接続リンクとテンションロッドを接続してスナップピンで固定します。
① テンションロッド連結ピンを抜きます。
② 取っ手代わりに取り付けたジブセットピンAをつかんで持ち上げます
③ テンションロッドとテンションロッド接続リンクの位置を合わせ、テンションロッド連結ピンを刺し込みスナップピンで固定します。
今までジブの上に上がって取り付けていたテンションロッドが、この段階で取り付けられるんですからね~
よく考えましたよね~
テンションロッド固定ピン取り外し
ジブセットピンAを上方に持ち上げたまま、テンションロッド固定ピンを抜きます。
抜いたテンションロッド固定ピンは必ず、下から上に格納サポートに差し込み、スナップピンを入れます。
逆に差し込んだ場合、作業中にピンが落下してくる可能性がありますので…。
テンションロッドの固定ピンが硬くて抜けない時の対処法
経年劣化により、ジブチルトシリンダが伸長している場合があります。
ジブチルトシリンダが伸びちゃってるから競ってテンションロッドの固定ピンが抜けないんです。
なので、ジブチルトシリンダを縮めてしまえば問題無しです。
運転席を降りる前に、あらかじめジブチルトシリンダを縮めるのもアリですね。
で、ジブチルトシリンダの縮める操作ですが…
アウトリガー操作パネル付近にあるコレ↓
↑は70tの操作切替スイッチで申し訳ない…
25tはジブチルトと伸縮の表示のスイッチがアウトリガー操作パネルにありますので探して!!
そのスイッチをジブチルト側パチンって合わせて…
伸縮レバーを押すと、伸びていたジブチルト伸縮シリンダが縮みます。
コレを誤ってレバーを引いてしまうと…
ジブチルト伸縮シリンダが伸びてしまうので、
テンションロッドの破損に繋がりますので注意して!!
ジブセットピンA刺し込み
今まで散々取っ手代わりに使っていた、ジブセットピンAを上記の位置に差し込みます。
この時も、下から上へピンを差し込みスナップピンを入れます。
コネクタ取り付け
ジブ側の配線の取り出し
ジブ根元に格納している配線をケーブルガイド(2か所)の中に通します。
巻過防止装置用コネクタの配線をブーム側から外し、ケーブルガイド(1箇所)の中に通します。
各コネクタの接続
油圧ホース掛け替え
それでは…
ブーム左側に回りまして
左側テンションロッド取り付け
⑤ 取っ手代わりに使っていた、ジブセットピンBを下から上へピンを差し込みスナップピンを入れます。
巻過防止装置用スイッチの取外し
シングルトップのワイヤー外れ止めピン、巻過防止装置用スイッチ、ウエイト用ワイヤーを取り外します。
輪っかみたいなウエイトは外さず、ワイヤーロープは取り付けておきます。
ジブ連結ピンEの取外し
ジブ連結ピンEを抜いて格納場所に格納し、スナップピンで固定します。
アウトリガを水平に設定
運転席に戻って…
アウトリガーのジャッキを伸長して、クレーンを水平にします。
ジブ振出準備
主巻フックの巻上
主巻フックをブーム先端の隙間が約15㎝になるまで、主巻フックを巻上げ操作を行います。
ブーム起こし
補助ロープを通す
運転席から降りて…
付属の補助ロープをジブ先端のシーブとガイドピンの間に通します。
補助ロープを補巻フックに取付け
補助ロープのもう一方を補巻フックに取付ます。
補助ロープが張り過ぎない程度に補巻ワイヤーロープを巻き上げ操作します。
上図は補助ロープがパッツンパッツンに張ってますが、気持ち緩めて大丈夫です。
逆に補助ロープがパッツンパッツンに張ってると、後の工程で危険です!!
安全ロープの取外し
安全ロープをジブ先端から外し、フック掛け穴に掛けます。
ブーム起伏操作
ブーム角度を75°~80°になるまでブームを起こします。
ブーム伸長~ジブ振出
ブームをゆっくりと伸長操作を行います。
ブーム角度が75°~80°以下で伸長操作を行うとエラー表示が出たような気がします。
必ずブーム角度を確認しましょう。
AMLのジブロックアイコンが消えたら、ブーム伸長操作を止めます。
補巻フック巻き下げ
ジブが地面と垂直になるまで、補巻フックをゆっくりと巻き下げ操作を行います。
補助ロープ取り外し
補巻ワイヤーロープを巻き下げながらブーム角度を60°~65°にします。
運転席から降りて補助ロープを取り外します。
ジブ先端配線接続
ガイドピンに補巻ワイヤーロープを通す
配線関係の接続
ここまで来ればゴールは目前。
あと少し気を抜かずに頑張りましょう!!
補巻フック巻き上げ
運転席に乗り込み、補巻フックとジブ先端の隙間が約15㎝以下になるまで補巻ワイヤーロープを巻上げ操作を行います。
ジブ振出し
ここからがSACOJIBの真骨頂!!
アウトリガー操作パネル付近にあるコレ↓
↑は70tの操作切替スイッチで申し訳ない…
25tはジブチルトと伸縮の表示のスイッチがアウトリガー操作パネルにありますので探して!!
そのスイッチをジブチルト側パチンって合わせたら…
伸縮/ジブチルトレバーを引いてジブチルトシリンダを伸長し、ジブを振り上げます。
ジブオフセット角度が5°~60°(ジブ作業状態)になるまでジブを振り上げます。
今まで、補巻フックをジブ先端に当ててブームを伸ばしながら起伏操作でブームを倒したりしながら振り出していたジブが、レバー1本の操作でジブが振り上がっていく!!
なにコレすごい!!
つってね。
コレ、初めて操作したときは感動モンでした(笑)
作業状態登録
作業状態をAMLに登録します。
ジブ振出完了!!
作業に入る前に、補巻フックを巻過状態にして自動停止するかを確認します。
過巻の警報音が鳴りっぱなしや、自動停止しない場合はコネクタが確実に接続されていない可能性があります。
その時は、ブームを伏せてコネクタの接続箇所を再確認してください。
コネクタの接続箇所は、
・ブームの先端右側
・ジブの先端左側
です。
コネクタの接続は問題ない…
けど、過巻してないのに過巻警報音消えない…
配線がどこかで断線している可能性もあります…。
最後に
いかがでしたでしょうか?
え~
当ブログ最長の
7770文字越え!!
ぶはー!!
長いね~
7000文字って…。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
自分の経験が誰かの役に立つハズなんですよね~
きっと、ジブ出しに困っているどこかの誰かの役に立つハズ…。
そう願って頑張って書いてみました。
それでは本日も
ご安全に~!!
コメント
ども、そのうちユニックにまでマゴやフィックスブームが付いて厄介な事になるのではないかと、戦々恐々な2.9tオベです(笑)
さて、これは有料でも良いような記事だと思いますよ
クレーンによっては取説が無かったり、マゴに関するページだけ無かったりして、新人に指導する時に困る時がありますが、そんな時はこの記事が役にたちますからね
目指せ!
有料Blogger!
( ̄ー+ ̄)
とも蔵さん
お疲れ様ですm(__)m
カーゴクレーンすよ(・ω・)ノ
やんちゃって(笑)
いつか付く日が来るんすかねぇ(–;)?
有料だなんてとんでもない(笑)
取説から画像引っ張ってますからね(^_^;)
確かに乗ったクレーンに取説積んでないとか、ちょっとサコジブの出し方の記憶が曖昧だ~って人向けに…
うっす~い需要を拾いにいきました(笑)
今はG4ですからね(^_^;)
古い情報なのかもですがね…